【目次】
1.Do you know…La-hee?
2.We Will Play…La-hee!
3.稀なるつわものたち
4.馬鹿な……! お前、何故そこに……!?
5.冒険はどこまでだって続いていく
こんにちわ。久々のチラシの裏シリーズでございます。
今回は2021年に制作、公開した「CIVILIZATIONS」というMusicVideo風
オリジナル動画の制作過程や思い出深い出来事などをご紹介いたします。
【動画】
1.Do you know…La-hee?
CIVILIZATIONS(ラケティカ大森林:昼のテーマ)と言えば、
数ある漆黒のヴィランズBGMの中でも「ラヒッ」でお馴染み
大人気曲でございます。
今年(2021年)実施されたデジタルファンフェスでは
生みの親である我らが祖堅氏がまさかの美声を轟かせたことも
みなさんの記憶に新しいのではないでしょうか。
(余談ですが、その際のKEIKOさんの表情がいまだに脳裏から離れません)
本動画はそのラヒッ!のMVを作ってみよう、というコンセプトで、
映像も音源もVOCALもすべてオリジナルで制作したものとなります。
が、企画当初はオリジナル部分は映像だけで音源は原曲を使う想定でおりました。
時は遡り2020年。
演奏系イベントにちょこちょこお邪魔していた私は
とあるBARでピーン!と天の啓示を受けることに。
「ラヒッ!のオリジナルMVを創ったら面白いんじゃないか?天才か私」
演奏者さんの素晴らしい演奏を拝聴し、謎の自信が沸き上がり
イキったまでは良かったのです。ここまでは良かったのです。
「楽器演奏機能で奏でる音源で曲が組み立てられるか」
まず前者。
私は演奏が出来ないので演奏が出来る誰かに出演をお願いしないといけない。
次に後者。
音のレパートリーが増えたとはいえ原曲のベースとなっているストリングス等の
声色がない。(※企画当初、バイオリン系は実装されていませんでした)
上記を踏まえ
・演奏は出来るどなたかにお願いする。ダメだったら企画はおじゃん。
・音源は原曲を使い、楽器演奏機能で「弾いてる感」を演出する
という方針を打ち立てました。
この時点で一番の課題は「誰が演奏するか」。
もうダメ元で伝手を頼ってみよう。そうしよう。
定期的にお邪魔していた演奏BARを開催、自身の演奏家として活躍されている
われんさんに企画ご相談に伺ったところ…
結果、ご自身の出演決定と演奏者の伝手を当たって頂けることとなり
ここで初めてこれはいける!という手ごたえを得て、企画が立ち上がったのでした。
われんさん、その節は本当に本当にお世話になりました。
われんさんと悪だくみをするの図
2.We Will Play…La-hee!
ご出演頂ける演奏者さんの見通しが立ち、企画の形が見えてきましたが
人間、物事うまく進むと更なる欲がこんにちは、とはよく言ったもので…
「音源をオリジナルにしたい」って思ってしまったのです。ここで。
出演者のみなさんにご相談したところ、もう本当に真摯にご協力頂きまして。
だめ元でやったろー!という雰囲気が出来上がってからの…
伝手で歌い手さんに繋がりご参加の承諾を頂き、
さらにそこからの伝手で映像側の出演者が決定、
さらにさらに音源側の統括は世界のあかねやおぼろさんに参画頂くことで
なんと実現の見通しが立ってしまいました。
何もないところから人の縁が繋がって形を成す。
ヴァウスリーも激やせするレベルの奇跡が起こったのです。
あとは結果にコミットするだけ。
3.稀なるつわものたち
制作にあたり、まず音源を組み立てるところから。
音源はおおよそ以下の様な制作手順で構築されていきました。
①曲を構成するパートに分解。パートごとのサンプル音源制作(おぼろさん)
②練習用譜面制作(おぼろさん)
③各パート練習(演奏者さん)
④エオルゼア内で演奏、録音(おぼろさん、演奏者さん)
⑤おぼろさんにて録音音源をMIX、微修正、増幅
⑥VOCAL録音(歌い手さん)
⑦音源とMIX、微修正(おぼろさん)
⑧完成
書き出すだけでもすんごいタスク量、手間かかりすぎい!
今回お集り頂いた演奏者さん、歌い手さんは各所でご活躍されている精鋭揃い。
④の録音も1回の収録で完結、語彙力の乏しい私はさすがとしか言葉が出なかったのですが
印象に残ったのが、その準備段階である②、③での出来事でした。
普段、演奏者さんって演奏曲をどの様に練習しているのかしら、
耳コピかしら、原曲を聞き込みながら練習して頂ければいけるかしら
この考えがあまあまの甘でございました。
実際には耳コピ、譜面化して覚える、ドレミ譜で覚える 等
多種多様でございまして!
(私はここでドレミ譜なるものが存在することを初めて知りました)
企画にあたり、このあたりを全く考えられていなかったために
おぼろさんにお願いして各演奏者さんのスタイルに合わせ、
収録前に①、②を制作頂くことになりました。
(本当、考え無しで突っ走ってしまい申し訳ありませんでした!)
また、演奏手段もキーボードの他、パッドだったりMIDIキーボードだったり
手段により各パートの難易度が異なる、等こちらも多種多様。
「演奏者さんお願い☆」の一言では全然済まない演奏の奥深さ、演奏者の凄み
というものを感じられた様に思えます。すごい(語彙力)
次に歌。
ラヒッは生みの親である祖堅さん本人が仰られておりましたが明確な歌詞がありません。
そのため、ネットに転がっている空耳テキスト等を参考に歌って頂いたのですが、
最初録音音源を聞いた時
「あれ原曲かな」
とガチで思うほどの完成度。チョコボ肌が止まりませんでしたよ、ええ。
歌い手さんの声質も曲に凄いマッチし、素晴らしい音源が完成したのでした。
4.馬鹿な……! お前、何故そこに……!?
次に映像側。
映像側では演奏者さん、歌い手さんに出演を依頼。
演奏シーン等を盛り込みつつ、フィールド風景を織り交ぜMV化する、というのが
当初の目論見でした。
だったのですが
今回お集り頂いた演奏者さん、今回の企画のためにわざわざ世界の壁を破壊して
Elementalデータセンターにお越し頂いている方々がいらっしゃる関係上、
レベル不足でラケティカ大森林に行けない!ということが判明。
さてどうするか。
グリダニアが代々木公園だった様に、黒衣森をラケティカと見立てて撮影するか…
でも森の性質が違い過ぎる。(色彩、植物の種類)
演奏シーンはいっそ室内前提にしてしまうか。
いやでも絶対味気ない。少なくとも草生える感は無くなる。
私が内田雄馬だったら召喚術を使ってすっぽんぽん、もとい
現地につわものたちを呼び込めるのに…
…
そうだ。
現地に行けないなら背景を合成すればいいじゃない。
ということで、こーんな感じの
背景合成用セットをアパルトメントに組み上げまして、
演奏シーンの大半をここで撮影、動画ソフトで背景を透過、
別撮影のラケティカ景色動画を背景として合成する
という手法を取ることにしました。クロマキー合成というやつですね。
企画進行当時、テスト 兼 クロマキー合成の仕組みを簡単に説明した動画が
残っておりましたのでよろしければご参照下さい。
楽器演奏時に出る音符エフェクト君ですね~
彼、発生してから音符の色が七色に変わって消えていく凄いヤツなんですよ~
わ~
背景色と重なるやろがい!!!
クロマキー合成は特定の背景色を透明化することで成り立つ手法なのですが、
エフェクトが七色に変化し、途中で背景色に近い色になってしまうことで
音符がぼやけたり、一部欠けたりするのが大変お見苦しい!
いや、音符だけならまだいいんです。
何が一番大変って、音符エフェクトが演奏者のお顔と重なった時に
背景色に近い色に変化してしまうと、なんとお顔ごと透過されてしまう。
貞子も靴はいて逃げ出すレベルのホラーですよこれは…
しかも音符エフェクトはどうやっても消せない仕様。
事件だわあ!(科捜研調)
動画を創っていてコレに一番悩まされまして、
うまく撮れたのに透過でホラー、Take2、3を撮りなおすこと数か月。
背景色を緑から再度高めの青に変更して若干改善しましたが
七色変化のチャラ男の脅威は止まらず
編集に恐ろしい時間を要することになったのでした…
よしだー!はやくきてくれえ!!!!!!!!!!!!!!
と、ここまで散々に書き散らかしましたが、一方、背景合成を行うことで
ゲームの仕様上絶対に演奏出来ない場所やアングルにキャラクターを合成して
演奏させることが出来たので、表現の幅は広がるなと感じました。
一方、ラケティカに行ける出演者は実際に現地で演奏して頂き
撮影を行いました。
こちらは本当にスムーズでした。
5.冒険はどこまでだって続いていく
本企画にご参加、ご協力頂いたみなさんの物凄い努力、ご協力無しには
完走出来なかった動画制作でございました。
当初ミニマム現実案でスタートした企画が
音源構築の手間、苦労を超え
データセンターの壁問題をかわし
七色チャラ男ホラーに泣きながらも
結果、フルオリジナルとして完成させることが出来ました。
当時を振り返りながら今、この記事を執筆しておりますが
まぁ私の見通しの甘いこと甘いこと。
手探りで進みながらの制作でしたがみなさんの情熱と努力、ご協力が
とっても心強く本当にありがたかった。
今、漆黒のヴィランズが終わり、暁月のフィナーレが始まろうとしております。
漆黒はメインクエをはじめ様々に素晴らしいゲームでしたが
私の漆黒の一番の思い出はこの動画をみなさんと完成させられたことです。
何もないところから人の縁が繋がって形を成す。
きっと最高にMMOしてる! ってこいうことを言うのでしょうね。
改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
とっても楽しく、また良い経験をさせて頂きました。
もしよろしければまた、一緒に楽しい動画を創りましょう!
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